今日は僕が中国で生活していたときに、中国の上海で青空マーケットを開催したら、結果いろんな人に罵られたという話です。
青空マーケットというと聞こえは良いですが、ようはフリーマーケットです。
ちなみに定期的に多くのブースが出店している人気イベントとかじゃないです。楽しく販売する感じじゃなく、生きるために売っている感じですね。
有名な代々木公園のフリーマーケット 楽しみながら売るイベント
その辺でブルーシート広げて本を売るという方法です。
(イメージ写真)僕はこっちに近いです 生きるために売るイベント
なぜ上海でフリーマーケットなのか
その当時、僕はお金に困っていました。中国に赴任しているサラリーマンとして働いていたので、生活することが出来なくなるほどではなかったですが、その月は、色々と出費があったり(主にキャバクラ)して、散財していました。
若かったので、お金があれば、使ってしまえという感覚だったのは確かですが、その結果、月末を待たずに貯金ゼロ。
これは悲しかったです。財布の中にいくらかは入っていましたが、とても生活していくのに足りそうにありませんでした。
そんな絶望の淵をさまよいながら、近所の値段が安いことだけが売りの汚いラーメン屋(ラーメン1杯60円くらい)で、ラーメンをすすりながら、今後の事を真剣に考えていました。
そんな時、僕の目の前に見えたのが、この光景です。
スーパーの前や人通りの多い道で日用品や雑貨を売っている人達
その商品ラインナップはボロボロの人形や、靴下、爪切りなどなどでした。正直ガラクタに見えましたが、確かに何分かに一個くらいは売れていっているのです。
僕は自分の狭小な考えを恥じました。そして、思ったのが
僕もコレやってみよう
でした。
うるものはこれ
フリーマーケットをやることに決めた僕ですが、仕入れするほどの資金もないので、家に何か売れるようなものがないか探していると、部屋の一角を占める圧倒的な存在に気が付きました。
それは、僕が中国に来るたびに少しずつためていた本たちです。
5年間で集めた日本語の本約600冊
中国に来た時、日本語の活字に没頭した時期があり、年間150冊くらいは読んでいました。読書は僕の唯一の趣味となり、平日の夜と、休日は一切外出せずに本を読むという生活を何年か続けていました。
感銘を受けた本も多く、売るのが惜しいと思うものもありましたが、これを売ったお金でステーキでも食べて、キャバクラでも行こう思うと、躊躇は消えました。
日本語の本が中国で売れるのかは分かりませんでしたが、僕には選択肢がそれしかなかったので、この本をスーツケース2個に詰めて、中国最大の都市上海へ向かったのです。
2,400万人が住む中国最大の都市 上海
場所は行ったことのある魯迅公園
場所は魯迅公園という上海市民の憩いのスポットして有名な公園にしました。
朝は太極拳 昼はダンスやってます
魯迅公園に決めたのは、前に一度来たことがあり、フリーマーケットやってる人がいたことと、人が多く賑やかなこと。日本語交流イベントなんかも開催されたりしていること。が理由です。
早速公園内のメイン道路のような場所でフリーマーケットやったり、輪投げをやったりしている場所があったので、そこの人達に話を聞いて、隅っこで店を開きました。
新参者はいるらしいですが、外国人で本を売っている人は初めてと言っていました。
店のレイアウトはシンプルにこだわりました
早速店を作ったのですが、店の作りは極力無駄を省きシンプルにしました。
イメージは無印良品の店舗ですね。
すっきりとシンプルを心がけました
店舗設営の手順
①新聞紙を敷く
②本を並べる
③スーツケースを椅子にする
以上です。着いてから気付きましたが、値札、袋、おつり、フリーマーケットするには必要なモノは全て準備していませんでした。
まぁ今さら言ってもしょうがないので、とりあえず、この状態でお店を午前10時頃オープンしました。
立ち止まってみてはくれるが、、、午前
さすが上海、さすが魯迅公園、というべきでしょうか、店を開いたときから、多くの散歩中の人や、遊びに来た人が立ち止まってくれました。
正直日本語の本がどれくらい需要があるかは分かりませんでしたが、手に取ってくれる人は多かったです。ただ、実際に買ってくれる人は0でした。
「なんで日本人がこんなところでこんなことしているんだ?」
という質問は多かったですね。。。
その他にも
「お前が日本人というのは嘘だろ!日本語しゃべってみろ」
とか
「1元(15円)にまけろ」
とか
「こんな本誰が買うんだ!」
とか
色々言われて心が折れそうになることもしばしばでした。
売れないと、気持ち的にもどんどん落ち込んでいき、絶望的な気分になってきました。
フリーマーケットやって分かったのは、ただ座っているだけで楽だと思ったら、
客の乱暴な言葉や、扱いに心が削られることが多いです。
この日をきっかけに強く生きなきゃと思うようになりました。
奇跡がおこった、、、午後
全然売れずに3時間くらいすぎたんですが、午後になると奇跡が起こりました。
それは日本語交流クラブの会合が魯迅公園で行われたのです。そういうクラブがあり、魯迅公園で活動しているとは聞いていましたが、実際に参加したことも見たこともなかったので、今日その会合が行われるというのは何よりラッキーでした。
日本語交流クラブは中国人で日本語を学びたい人と、日本人で中国語を学びたい人が交流する会のようで、上海では一番大きなグループと言っていました。学生らしき若者を中心に人数がめっちゃ多いです。100人近くはいたと思います。
そんな時に突如日本語の本のフリーマーケットをやっている。となると、当然興味を持ってくれる人が、買ってくれるようになりました。
日本語交流クラブすげぇ。。。
日本語で交流をしたい中国人の皆さんは日本語が上手な人が多く、学校で日本語を専攻している人は、小説の話なんかも色々と詳しかったです。三島由紀夫が好きだとか、川端康成の本はないのか?とか。。。
で、20冊程度ですが、そのクラブの皆さんたちへの販売で、売ることが出来ました。
値段設定はよくわからなかったので、全部10元(150円)にしました。日本語書籍を扱うリサイクルショップが上海にもありますが、そこのお店も10元とか20元あたりに設定しているのが多かったのでこの価格にしました。
上海に住む日本人にはおなじみのフクゼン
午前中は笑われたり、怒られたりしましたが、午後は逆に友好的なムードで販売も出来ました。中国の奥深さを感じることのできる一日でしたね。
収支をまとめると、
収益:200元
交通費:140元
食費:20元
本日の利益:40元(600円程度)
労働時間は移動を含めると10時間以上。。。。
嫌な奴多いけど、サラリーマンを精一杯頑張ろうと強く感じました。
まとめ
- 日本語の本はある特定の層には売れる
- 値段は10元くらいでちょうど良い
- 道路でやると怒られる(捕まる)
- 普通に日本でバイトした方が稼げる
- 地べたに座ってモノ売ってると自分が底辺の存在に思えてくる
- そんな時買ってくれる人がいると天使に見える
結論:全然おすすめじゃない!!
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