遠藤周作の作品のおかげで今まで生きてこれたといっても過言ではありません。バヤシ(@muraba1)です。
今日は単純に遠藤周作大好き男の記事です。
目次
僕が遠藤周作作品が好きな理由
娘を連れて行ってきました
遠藤周作作品には、その慈悲に溢れた優しさと、
人間の弱い部分も受け入れてもらえる包容力に溢れています。
そのやさしさに魅了され、時に涙します。
遠藤周作の入手できる著作は20代に全て読みました。
一般的には「沈黙」「深い河」「海と毒薬」「女の一生」等が有名でしょうか。
宗教観を考えさせられる内容から、
単純に笑えるものまで
内容の多様さも遠藤周作の魅力だと思います。
遠藤周作文学館へ行くといつも心が洗われる気になる
自分自身、人生で自分の存在に自信がなくなったり、無意味に思えた頃がありました。
そんな時に遠藤周作作品を読むと、自分が肯定された気分になったのです。
遠藤周作自身、進学に何度も失敗して留年したり
留学先のフランスでその歴史や宗教観の違いに圧倒されたり
若くして病気に侵されたりした中で、
熟成されていったであろう
弱者に対するまなざしのやさしさは、
多くの人を救うことになったと思っています。
僕もそのひとりです。
遠藤周作文学館へ行くと、そんな自分の小ささや、汚さを外海の風景が癒してくれるのです。
初めて遠藤周作文学館へ行ったときに、入口前のベンチから見える大海原を見ると、そこには確かに遠藤周作の優しさを感じることができました。
それ以来、何かあると、遠藤周作文学館へ足を運ぶようにしています。
映画「沈黙」も人気となり遠藤周作文学館は巡礼地巡りにおすすめ
遠藤周作文学館は長崎県でも穴場観光スポットとしてじわじわ人気となっています。
なによりも外海の美しさと展示品の素晴らしさが最高です。
遠藤周作ファンには是非行ってもらいたいおすすめスポットです。
2017年1月27日にスコセッシが監督した映画「沈黙」が公開され、巡礼地巡りファンも増えています。
遠藤周作は自身で長崎を第二の故郷といっているほど、長崎のことを愛しており、実際に遠藤周作の小説の舞台に長崎が選ばれることも多いです。
長崎県は鎖国時代に外国との貿易を許されていた土地であり、多くのキリスト教宣教師が目指した場所でした。
そんな長崎には遠藤周作の作品に影響を与えた場所や景色がたくさんあります。
遠藤周作ファンの皆さんには、長崎に行ったら是非遠藤周作文学館に行かれることをおすすめします。
遠藤周作文学館は一度行ってもらえればその良さがわかると思いますが、私が実際に行って、特におすすめできる8つのポイントにまとめました。
1.遠藤周作文学館からの外海が絶景
入口横の展望スペースから眺める外海は絶景で雄大です。遠藤周作文学館の立地が岬の先にあるため、そこからは外海の様子が一望できます。
遠藤周作もこの場所で同じ景色を見たと思うと感極まるものがあります。
ここから沈黙の物語の構想が生まれ多くの人が影響を受けることになる遠藤周作の代表作になっていったのでしょう。
物語を読んでから改めて外海を眺めると、外海の景色がただ単に綺麗なだけでなく、深い悲しみを秘めているように感じますよ。
外海は雄大でありながら、どこか悲し気に見えるのは、遠藤周作の沈黙の世界が感じられるからでしょうか。
また遠藤周作文学館の中にある出窓からも外海が一望出来ます。
これはキリスト教の沈黙の世界に身を投じて広がる外海を眺めながら遠藤周作をしのんでみてはいかがでしょうか。
2.遠藤周作文学館には本人の書斎が再現されている
遠藤周作文学館を入って展示場の右手には、遠藤周作が使った机が展示されています。
じっくりと考えごとの出来そうな大きな木の机でした。
遠藤周作の作品に出てくる主人公はその多くが人間の弱さに負けてしまった人たちです。
そんな人たちにスポットを与えてそれでも生き続けていくことの大切さを書いていたように思います。
沈黙で描かれているキチジローや、ロドリゴもこの机で生み出されたのでしょうか。
そんなことを想像するだけで、遠藤周作文学館へ来たかいがあると思えます。
重厚でありながらも落ち着いた感じが良いです。
3.遠藤周作文学館限定版「沈黙」が購入できる
2017年にスコセッシ監督により映画化される映画版「沈黙」
窪塚洋介や浅野忠信が出演し、スコセッシが監督すると聞くだけで、名作の予感がひしひしと伝わってきます。
沈黙の舞台である長崎の様子と、キリスト教を棄教する男、逆に自ら死を選んでも信念を貫く男。
遠藤周作の作品の神髄である「日本人にとっての宗教」が繊細に描かれている沈黙は、映画沈黙も、重厚なテーマだけに、役者の演技力が必要だと思っていましたが、窪塚洋介のキチジロー役や見事でした。
あまり言うとネタバレになるので言いませんが、既に多くのオファーがハリウッドから来ているようです。
沈黙の映画化を記念して沈黙の特別版が1000部印刷され遠藤周作文学館限定で発売されています。
読んだことのある人も改めてこの沈黙限定版を改めて読んでもらいたいです。
4.遠藤周作文学館には直筆原稿が見れる
遠藤周作文学館の展示室には遠藤周作の直筆原稿も多く残されています。
遠藤周作の書く文字は、意外にもかわいい丸文字だったのは意外でしたが構想スケッチや登場人物のプロットなど興味深い内容も多かったです。
交友の深かった友人阿川弘之にあてた手紙はユーモアがあって面白かったです。
遠藤周作文学館の中には、遠藤周作の作品の歴史も書かれており、時代背景とともに作風も変わっていく様子が感じられました。
やはり遠藤周作は長崎という土地と、キリスト教という宗教、あと人間の弱さ、ユーモア等を巧みに昇華させて、唯一無二の作品となっていったと感じました。
5.遠藤周作文学館隣のレストランからの眺めも最高!
遠藤周作文学館の隣に併設されているのが喫茶店アシャンテです。ここでのおすすめはド・ロ様そうめん。
これは当時布教活動に来日したド・ロ神父が考案した食べ物で故国フランス産の小麦粉を原料に落花生油を引き油とする独特の製法を考案して造り伝えたとされる手づくりの麺で、コシの強さと落花生油の味わいが魅力です。
遠藤周作が食べたかはわかりませんが、当時を想像して、長崎の外海を見ながら食べるそうめんは最高でした。
そうめん以外にも軽食メニューがあり、中には周辺の観光情報の載った雑誌もありますので、ここで休んでどこに行くか決めても良いでしょう。
遠藤周作文学館で作品や展示物を満喫した後に喫茶店でゆっくりと思いを馳せながら過ごすというのがファンには最高の楽しみ方だと思いました。
近くには小説の舞台になった黒崎教会や、大崎などもあります。
6.遠藤周作文学館の展示室で来場者の書いたノートとその眺望も楽しみましょう
静かに流れる時間が心地よいです
遠藤周作記念館の中にある展示室Ⅲ聴濤は、広い空間に小上がりがあり、そこに遠藤周作の大きな書がひとつあるだけの部屋です。
来場者が自由に書き込めるノートがあるのですが、そこには多くのファンの熱い思いが詰まっていました。
何もない場所ですが、すごく落ち着ける空間となっていました。
ファンの思いがつまったノートを見ると涙が出てきます。
椅子と畳と遠藤周作の書と大きな窓から見える海
があるだけのシンプルな作りでしたが、
こんなに落ち着く空間はないと思うほど
のんびりと心地よかったです。
そこに置かれた訪問者の書き込みノートを見ながら
改めて遠藤周作は多くの人に愛されていたんだなぁと実感しました
7.遠藤周作文学館から車ですぐのところにある黒崎教会もおすすめ
遠藤周作文学館から車ですぐです
1920年に完成したその煉瓦作りの建物は沈黙の舞台ともなった黒崎地区にあります。
遠藤周作文学館からも近いのでついでに寄ってみてください。
教会は基本的に開放されていますので、自由に拝観できます。
色鮮やかなステンドグラスと、静粛な雰囲気に心が洗われることでしょう。
私は平日の昼に拝観しましたが、他にお客さんはほとんどおらず、静かな空間で過ごすひとときが気持ち良かったことを覚えています。
黒崎教会
住所:長崎県長崎市上黒崎町26
8.沈黙の碑は黒崎をずっと眺めている
人間がこんなに哀しいのに 主よ 海があまりに碧いのです
昭和62年に建てられたこの文学碑は沈黙の舞台であるトモギ村のモデルとなった黒崎村に建てられています。
ひっそりと建てられたその碑を見ながら、沈黙で自身の信仰と葛藤し続けたロドリゴや、弱さに負けたキチジローのことをゆっくりと思案するのにおすすめです。
遠藤周作文学館周辺には遠藤周作ゆかりの地や石碑があるので、一日楽しめます。
但し車が無いと行きにくい場所もあるので、車での訪問をおすすめします。
まとめ
遠藤周作文学館は、個人的に長崎で一番のおすすめスポットです。遠藤周作をしのんで、また訪れたいと思いました。
長崎市内からだと車で40分程度かかるので少し遠いと感じるかもしれませんが、遠藤周作を知らない人でも外海の風景を見に来るだけで十分価値があると思います。
長崎市内からは少し離れていますが、遠藤周作文学館の周りには食事をするところも、観光するところも多いので、1日かけてゆっくり観光されるのが良いでしょう。
沈黙は2017年に映画化され話題になっていますので、是非この機会に遠藤周作文学館を訪問されることをおすすめします。
きっと気に入ってもらえると思います。
遠藤周作文学館は個人的長崎で一番おすすめのスポットです
遠藤周作作品で好きな小説は「父親」「深い河」「侍」「スキャンダル」等です。
小説を読まない人はエッセイからでもいいので一度読んでもらいたいです。
別記事でおすすめの小説も記事書いてますので見てください
遠藤周作ファンが選ぶ!遠藤周作作品で絶対におすすめの小説とエッセイ
遠藤周作文学館
住所:長崎県長崎市東出津町77番地
電話:0959-37-6011
休館日:12月29日から1月3日まで
ホームページ:http://www.city.nagasaki.lg.jp/endou/
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