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遠藤周作ファンが選ぶ!遠藤周作作品で絶対におすすめの小説とエッセイ

遠藤周作ファンが選ぶ!遠藤周作作品で絶対におすすめの小説とエッセイ

遠藤周作先生に救われたバヤシです。

私は遠藤周作の作品が大好きです。

学生時代から愛読しており、私の人格形成に大きく影響した作家です。

実際に何度も作品に励まされてきました。

今までに遠藤周作の作品は何度も作品を読み返してきました。

そんな遠藤周作の小説で特におすすめしたい小説作品とエッセイ作品を紹介します。

遠藤周作の小説作品には、自分の生き方を考えさせられる作品が多いです。

また、エッセイは読みやすい作品も多いので是非一度読んでみてください。

1.遠藤周作の集大成作品「深い河」

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遠藤が70歳の時に発表された。遠藤の生涯のテーマ「キリスト教と日本人」の最終章となった作品である。1994年に毎日芸術賞を受賞した。

遠藤周作の集大成と言える作品です。作者が70歳の時に書き上げた大作は人間の弱さや、葛藤を5人の主人公に投影して書かれた作品です。

遠藤周作は優しい人だろうなぁというのは、いつも小説を読むと感じることです。

個人的に遠藤周作が好きというのもあると思いますが、人間の弱さや、それでも生きていくという哀愁を書かせたら一番だと思っています。

2017年に沈黙がスコセッシ監督、窪塚洋介、浅野忠信出演で映画化されましたので、その影響で、遠藤周作の作品が注目されることになるのはうれしいです。

深い河には宗教観、神の存在等がテーマになっており、自身の宗教に対するスタンスを考え直すきっかけになると思います。

大津の言った玉ねぎの話など、いつまでも心に残ります。

遠藤周作作品を一通り読んだ後に読むことをおすすめしたいです。

遠藤周作の作品を一冊選べと言われたら深い河を選びます

 

遠藤周作の深い河が好き/2017年沈黙が映画化され話題に

2.遠藤周作の描く女性像が白眉 「私が棄てた女」

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『わたしが・棄てた・女』(わたしが・すてた・おんな)は、遠藤周作の長編小説。1963年発表。ハンセン病と診断された森田ミツの一生を描き、その一途な愛と悲劇を浮かび上がらせる。遠藤の通俗的な作品の中で代表的なもの。

主人公ミツの学生時代の愛を描いた作品。やはり遠藤周作の小説のテーマである、神や愛について書かれています。

おそらくミツのイメージは聖女なんだろうと思いながら読んでいましたが、自己犠牲をそこまでいとわない存在が本当にいるのかと思ってしまうほど、純粋な主人公に心が震えました。

深い河や沈黙のように全体的に重たい空気が流れるような作品ではなく、割と序盤は軽やかに進むので、読みやすさも程よくいい感じです。

遠藤周作の小説は女性が主人公の場合も多いですが、「女の一生」と並んで「わたしが棄てた女」は名作です。

私が棄てた女というタイトル通り、遠藤周作は人間の贖罪意識を扱うのが上手ですね。

特に若い感性の人や、恋愛に迷っている人に愛とは何かをやさしく教えてくれるような作品です。

 

3.人間の背徳感をミステリー仕立てにした異色の遠藤周作作品「スキャンダル」

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キリスト教作家の勝呂は自作の授賞式で、招待客の後ろに醜く卑しい顔をした、自分に酷似した男が立っているのに気が付いた。同じ頃、勝呂が歌舞伎町の覗き部屋や六本木のSMクラブに出入りしている、という醜聞が流れる。この醜聞を執拗に追うルポ・ライターに悩まされながら、もう一人の〈自分〉を探す勝呂が見たのは…。仮面を外したキリスト教作家の心奥を鋭く抉った衝撃の長編。

人間の悪と、善に悩み、落ちていく様子を描いた小説。誰でも持っているような心の闇の部分を丁寧に描いています。

主人公はキリスト教徒でありながら、SMクラブに入り浸っている背徳感を背負って生きている男。

遠藤周作自身がキリスト教徒という自身の生い立ちに悩み、苦悩した経験があるので、その様子が反映されているのではないかと思われる部分があります。

内容はミステリー仕立てに仕上げられており、ストーリーでもグイグイと引き寄せられます。遠藤周作の筆力が感じられる小説でした。

遠藤周作作品では珍しいロジカルな設定の小説。

ミステリー好きや、サイコホラー好きにもおすすめの作品。

 

4.遠藤周作作品の代表キャラガストンの信念に心打たれる「おバカさん」

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ある日、銀行員隆盛、その妹巴絵の前に風の如く姿を現わしたフランス人、ガストン・ボナパルト。ナポレオンの末裔と称する見事に馬面の青年は、臆病で、お人好し。曲がったことはしないが、行く先々に珍事をまき起こしていく。その一方で彼は人々の心を温かい光で満たしていくのである。「おバカさん」に出会ったら、人は優しさに満たされていく。

タイトルから軽い内容かと思いますが、内容は神の存在をただただ信じ、自身を捧げたガストンの話。

キリスト教を優しく愛のある視点で描かれた作品。遠藤周作の別の作品、深い河の中にも出てくる主人公ガストンの、まっすぐな性格に心打たれます。

遠藤周作の小説はキリスト教の宗教観を表したものが多いですが、決して宗教の押し付けにならず、人間全体に問われている価値観や、やさしさを持った主人公が多く、おバカさんにでてくるガストンもこんな人間がいるのかと思う程、強い信念と慈悲を持っています。

その一般を凌駕した感覚に人は感動するんだと思います。

ガストンは深い河にも登場しますので、遠藤周作自身も思い入れがあったんだと思います。

自分に自信が持てない人に読んで、前向きになってほしいです。

 

5.遠藤周作の代表作であり海外でも高い評価をうけた「沈黙」

遠藤周作 沈黙 映画化

江戸時代初期のキリシタン弾圧の渦中に置かれたポルトガル人の司祭を通じて、神と信仰の意義を命題に描いた。第2回谷崎潤一郎賞受賞作。

沈黙は遠藤周作の初期作品の中でも特別評価が高い小説です。舞台は長崎県の隠れキリシタンの村です。

主人公のロドリゴは強い信念を持って日本へやってキリスト教の布教に努めますが、豊臣政権でキリスト教は弾圧をされており、やがてその波にロドリゴも飲み込まれていくのです。

悲しい話ですが、これほど自分へ跳ね返ってきた作品はありません。

読み終えた後、自分はどうなんだ。自分ならどうした。自分にとって神とは何か。ということを強く考えるようになった作品です。

2017年にスコセッシ監督により映画化されました。

信仰心の薄い日本人にとっての信仰とは何か?を考えさせられます。

信じることとはなにか?信仰とはなにか?を自分自身に問いたくなる作品

6.17世紀初頭にメキシコへ派遣された男と宣教師の話「侍」

遠藤周作 侍_

藩主の命により、主人公が通訳兼案内人の宣教師・ベラスコに伴われて、異国への長い旅へ発ち、日本に戻ってくるまでの過程を描く。慶長遣欧使節・支倉常長の生涯を題材にしており、作中に登場する野心的な宣教師ベラスコのモデルはルイス・ソテロになっている。

歴史小説も遠藤周作の手にかかると、人間ドラマと宗教観の話に仕上がるから面白いです。

遠藤周作作品の多くにでてくる宗教は形ではない。というテーマが小説全体に流れています。

17世紀初頭にメキシコへ派遣される立場の男を、現代の人が想像することは難しいが、男が海外で見たものは、本当の神だったのかもしれないと思いました。

遠藤周作の時代小説は他の作家と一味違い、人間としての内面にスポットが当たっています。

過去にこのような偉人がいたのだと思うと誇らしい気分になります

7.遠藤周作の名エッセイ「十頁だけ読んでごらんなさい。十頁たって飽いたらこの本を捨てて下さって宜しい。」

遠藤周作 小説 おすすめ

大作家が、多くの例文を挙げて説き明かす「心に届く」手紙の秘訣は、メールを書く時にもきっと役立つ。執筆より半世紀を経て発見され世を瞠目させた幻の原稿、待望の文庫化

やたら居丈高で長い題名の本ですが、今作はエッセイというか文章講座のような仕上がり。

遠藤周作流の遊び心あふれた講義は読む手が止まらなくなります。

エッセイ全体からにじみ出てくるのが、遠藤周作のやさしさとユーモアに癒されること間違いなしです。

受験に何度も失敗し、大病を患った遠藤周作の人間味が感じられる作品です。

手紙の書き方講座なのですが、テクニック的なものではなく、如何に相手を考えて文章を書くかというものです。

文章の書き方を書いた本はたくさんありますが、なによりも大切なのは、相手を考えるというところだと思うので、すごく為になりました。

遠藤周作のエッセイの中でも断トツでおすすめです。

文章を書く人におすすめ。独りよがりはだめですよ

 

 

8.遠藤周作の優しさ溢れたエッセイ「人生には何ひとつ無駄なものはない」

遠藤周作亡くなってから10年以上が経とうとしている今でも、色あせないのが遠藤周作の作品。

その真摯に、時にはユーモアを交えて描かれた膨大な作品の中から、人生・愛情・宗教・病気・生命・仕事などについての選り抜きの言葉を集めた珠玉のアンソロジー。

遠藤周作はやさしいなぁといつも思います。特に弱い人間や、敗者に対して肯定しているようなあたたかな視点が大好きです。

遠藤周作自身が病気と闘ってきたという経緯もあり、生死に関するエッセイは見どころです。

過去の作品からのダイジェストのような形になっています。

遠藤周作作品を通してキリスト教についての理解もできる作品。

遠藤周作のエッセイを初めて読む人にも良いと思います。

 

9.遠藤周作の晩年に書かれた死生観「生き上手死に上手」

遠藤周作死ぬ時は死ぬがよし…だれもがこんな自在な境地で死ぬ迎えたいと思う。しかし死は恐い。ひたすら恐い。だからこそ日夜、怠りない「死に稽古=生き稽古」が必要になる。

長年の苦心惨憺たる病気づきあいから、人生に無意味なものは何一つないと言い切る著者が、自らの失敗談を交えつつ贈る人生セミナー。

老い、医療、医療者と患者、呼吸法、気、死に稽古、死に上手、等、生死にかかわるテーマですが、ユーモアセンスのある遠藤周作が書くと、読みやすくなっています。

自分の存在や、今生きている自分を再確認することができました。

何年かごとに読み返している作品ですが、そのたびに印象が違うのは、自分の年齢が上がるにつれ、思考も変化していっているからだろうと思います。

遠藤周作は大病を経験しているので、その時に生きることとは何かを考えたのだと思います。

死をリアルに感じることができます。

 

10.遠藤周作の別名義である狐狸庵作品「狐狸庵食道楽」

遠藤周作遠藤周作没後十年。食と酒をテーマにまとめた初エッセイ。真の食通とは?料理の切れ味とは?名店の選び方とは?「違いのわかる男」狐狸庵流食の楽しみ方、酒の飲み方を味わい深く描いた絶品の数々。「召し上って拝領で菓子を食う」「柳川の鰻に舌鼓を打つ」「兎亭のスープの味」等、人生の愉悦漂う四十四篇。

遠藤周作のエッセイには、狐狸庵名義で書かれたものもあります。

特にどういった理由で名前を分けているかは分からないですが、狐狸庵の方がユーモア全開な印象を受けるので、気楽に笑いながら読めます。

遠藤周作にグルメという印象はあまりなかったが、独特の切り口で展開されているので読み物として極上の作品となっています。

グルメをテーマに遠藤周作のユーモアがスパイスとしてよく効いています。

読むとお腹がすきます。

11.探求心の強い遠藤周作らしい作品「考えすぎ人間へ―ラクに行動できないあなたのために」

遠藤周作_面白く生きる自分づくり。思ったことを実現していく快力!行動する勇気、止める勇気、我慢する勇気を知る。

久しぶりに日本で生活してみて感じたのは、日本はストレス社会だなぁということ。規律が整っている分、そこから外れたことをすると周りから悪口を言われたりしますね。

遠藤周作のエッセイを読むと、だらしない自分や、うまくいかない人生でも、それでもいいんだと思えるような気持ちになるから不思議です。癒し効果が凄いです。

決して優等生として歩んでこなかった遠藤周作流の処世術が書かれています。

いろいろ考えすぎて悩んでいる人へおすすめ

まとめ 遠藤周作の小説に流れるのは一貫してやさしさ

遠藤周作の小説はテーマに神と愛、人間の弱さなどが常に関わっていて、それは現代に生きる私たちにも共感できる点がとても多いです。

生きづらい世の中で落ちこぼれ、もがいている人間を描いた作品が多いです。

遠藤周作はすでに亡くなられている作家ですが、今でも共通の人間のテーマであり、その小説は名作が多いのでおすすめです。

遠藤周作は再読すればするほど味の出る小説ばかりで、いつまで経っても飽きることはありません。

また、エッセイは全ての作品を通して、優しい語り口と、ユーモアに溢れています。

心が弱っていると感じた時や、前向きになれない時に読むと、きっと少し元気になれると思います。

遠藤周作の小説「沈黙」が2017年1月に映画化されたので、作家としての人気も高まっていくでしょう。

映画「沈黙」の期待値がとても高い理由

 

ファンになったら遠藤周作文学館へ行こう

遠藤周作に興味を持った人、または遠藤周作が大好きになった人は、遠藤周作文学館へ行かれることをおすすめします。

長崎県にある遠藤周作文学館には、遠藤周作の生原稿や、沈黙の舞台となった外海の景色、遠藤周作の歩んだ歴史等がたくさん展示してあり、今なら2017年に公開となった「沈黙」の映画公開記念仕様の小説が遠藤周作文学館でのみ販売されています。

そこから見る外海の景色は言葉にならない程の絶景です。

遠藤周作文学館は遠藤周作ファンはもちろん長崎旅行にもおすすめ!

長崎に行ったら、遠藤周作文学館がおすすめ。映画「沈黙」の世界が広がります!

 

遠藤周作の小説「沈黙」がついにスコセッシ監督が映画化

遠藤周作の小説「沈黙」がついに2017年映画化されました。

監督はあのスコセッシ。出演は窪塚洋介、浅野忠信等そうそうたるメンバーです。

沈黙は長崎の外海を舞台にした、神の存在と信仰を問う超大作です。遠藤周作の小説の中でも重要な位置を占める「沈黙」の映画は必見です。

沈黙を見たら最高だった

 

 

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