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遠藤周作原作、スコセッシ監督の映画「沈黙」が絶対おすすめな理由

遠藤周作原作、スコセッシ監督の映画「沈黙」が絶対おすすめな理由

1月21日に公開となった映画「沈黙」が面白かったです。

テーマが宗教なので、重たい印象ですが、内容は素晴らしかったです。外国人が日本を客観的に捉え、指摘している部分もあり、さすがスコセッシ監督と感じる場面が多かったです。

私は、遠藤周作の原作が好きで、実際に小説の舞台を旅行したことがあるのですが、映像化された世界観も原作のイメージに近く、原作への敬意を感じることが出来る作品だったことがうれしかったです。

1.映画「沈黙」は、見ごたえが半端ない

160分間という映画としても長い作品ですが、スリリングな展開に飽きることがありませんでした。劇中に出てくるショッキングな映像に生きを飲み、主人公ロドリゴの最後に感情移住をしているうちに終わった感じです。全然長く感じない。

2.映画「沈黙」は、日本人キャストが良い

日本が舞台の映画なので、当然日本人の役者が活躍します。その面子は、窪塚洋介、浅野忠信、加瀬亮、イッセー尾形、小松奈々。等。窪塚洋介さんと浅野忠信さんの場面が多いのですが、存在感が抜群でした。キチジロー役の窪塚洋介さんに個人的にはMVPをあげたいですね。

3.映画「沈黙」は、日本のキリシタンの歴史勉強になる

織田信長の時代には推奨されたキリスト教が、江戸時代には禁教となり迫害されたという歴史は朧気ながら記憶していましたが、改めて当時の状況や、いかに厳しい拷問が繰り返されていたかという歴史認識が深まりました。私はキリスト教徒でないので、身近な存在というわけではありませんが、映像化された隠れキリシタンの様子は、想像を絶するものでした。

4.映画「沈黙」は、遠藤周作ファンも必見

小説「沈黙」は17世紀の日本の史実・歴史文書に基づいて創作した歴史小説で、新潮社から1966年に出版されました。江戸時代初期のキリシタン弾圧の渦中に置かれたポルトガル人の司祭を通じて、神と信仰の意義を命題に描いた作品は回谷崎潤一郎賞受賞作であり、英訳され世界中で大反響を得た作品です。小説「沈黙」の世界は壮大なため、映像として作るには、相当の費用が掛かると思っていましたが、ハリウッド映画となり、その世界観は見事に再現されていたと思います。

5.映画「沈黙」は、アメリカ映画評論紙でも高く評価されている

ハリウッド作品となる「沈黙」は、日本のみならず、海外でも高い評価を得ています。タイム誌の企画「Top 10 Everything of 2016」で、「2016年に公開された映画のトップ10」の第5位に選ばれています。

6.映画「沈黙」は、自身の宗教観を考えさせらえる

映画を見て思ったのが、自分自身の宗教観や、信じるものについて。自分の信じるものを信じぬいて亡くなった人たちや、自分の弱さに負けて信じるものを裏切ってしまった人、裏切りながらも心の中では信じ続けている人。等。時代や環境によって、信念が大きく揺らいでいっている人間模様は、自分だったらどうだ?という自問自答を繰り返すことになりました。個人的には弱い人間の象徴として描かれたキチジローが一番自分に近いと思い、苦しかったです。

7.映画「沈黙」は、映像が美しい

映画の舞台となったのは長崎県のトモギ村という架空の村です。実際に撮影をした場所は台湾らしいですが、長崎の外海の雰囲気を忠実に再現されていると思いました。遠藤周作文学館から近い黒崎という場所が、遠藤周作が小説「沈黙」を書いたときに、舞台として選んだ場所ですが、外海の景色が美しく映像化されていました。そしてその美しい映像と反比例するような迫害を繰り返す人間の狂気がより際立っています。

8.映画「沈黙」は、英語の作品ですが、分かりやすい

私はハリウッド映画をあまり見ないのですが、映画「沈黙」に使われている英語はなぜかすごく聴き取りやすかったです。日本人の話す英語は恐らく片言英語になっているのでしょうが、アメリカ人俳優の話す言葉も、丁寧で分かりやすかったです。英語の教材としても良いと思いました。

まとめ

いろいろと映画「沈黙」の感想を書きましたが、要は良い映画だから見といた方が良いよ!ってことです。この映画をきっかけに遠藤周作が再評価され、他の作品も映画化されたりすると嬉しいなぁと思っています。映画「沈黙」を見て感動した人は、長崎にある遠藤周作文学館へ行くことをおすすめします。そこにはモエギ村の世界が広がっており、外海に落ちる夕日を見ると、映画の感動も倍増すると思います。

 遠藤周作文学館は映画「沈黙」の世界が体験できる

 

 

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