日本と中国。お隣りさんだけど、心の距離は離れている。日本に根付いている中国の文化は多く見受けられるけど、今の中国という国には魅力を感じないし、不快だと感じることの方が多い。そういう風に感じている日本人の方が大多数ではないかと思います。
中国に親しみを感じない割合は83.2% 過去30年で一番高い
実際に中国に対しての印象調査(2016)の結果を見ると、中国対して、親しみを感じる14.7%、親しみを感じない83.2%となっており、過去30年の調査結果で最も親しみを持っていない率が高くなっています。近年これだけ多くの中国人が日本へ来ており、また経済関係の割合も高まっている日中関係ですが、国民の感情は乖離していっているのでしょうか。
人の感情は相手との合わせ鏡
人って相手から好意をもたれると、自然と自分も相手のことが好きになっていきますよね。それは表情や、話し方、態度に現れてくるので、互いに心を開き、心地よく感じるのだと思います。逆をいえば、相手が嫌悪感を持って接してきた場合、自然と不快な感情が湧いてくるものです。日中関係もそのような状態に陥っており、互いのメディアや、教育、政治的な思想によって、国民の中に、あらかじめ嫌悪感が育っていっているのではないでしょうか。
中国って反日感情凄いの?
私は中国に長く住んでいましたので、よく「中国って反日感情凄いんでしょ?」と聞かれることがあります。この問いに対して、私は、中国は学校で抗日戦争のことを詳しく教えています。また、中国政府の方針で、反日感情を植え付けたいと思えるように教育、メディアに対して指導しているので、そのことが影響して反日感情を持っている人も多いのは事実だと思います。と答えています。これは中国近代史を調べていくと、なんとなく見えてくることで、1989年の天安門事件が一つの大きな契機となっていると思います。
中国が現在の反日教育を進めていったのは天安門事件が契機
1989年に起きた天安門事件は海外メディアからも取り上げられることが多く、世界中でニュースとなりました。天安門に集まり、自由民主化運動を行った学生たちのデモに対して、中国共産党が武力で制圧したという事件で、多くの犠牲者が出たと言われています。この事件をきっかけに、中国共産党は同じような事が起こらないよう、国民に対して、愛国教育を徹底する方針へと進んでいきました。愛国教育とは中国共産党の活動や行ってきた歴史の正当性を強調し、中国共産党を愛しなさいという教育です。抗日戦争はその一環として歴史教育の中でも多くの時間を使われ、戦争中の日本軍の蛮行や、残虐行為を取り上げ、抗日戦争の勝利とは、中国共産党のファシズムに対する全面勝利だとしています。
国民感情は改善できる
共産党の政権が続く限り、今後も反日教育は続いていくと思います。しかし、現在はかつてないほど中国の旅行客が日本へ来てもらっています。その目的は買い物や、観光でしょうが、個人の実体験を通じての日本に対する印象は、その人の価値観を変える何よりも大きなきっかけになると思っています。中国も現在はSNSを通じて情報が一気に拡散していく時代です。個人レベルでの相互理解を深め、友好関係を築いていければ、両国の国民感情は大きく改善されるのではと信じていますし、私自身その一端を担えるような活動をしていきたいです。
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